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【12.02.14】介護保険施設で不正受給

4億円余 岡崎市が返還請求

昨年、医療法人豊岡会(本部:豊橋市)による、介護報酬の不正受給が発覚しました。

 医療法人豊岡会
  はまなこ病院(浜松市)
  浜松とよおか病院(浜松市)
  岡崎三田病院(岡崎市)
  豊橋元町病院(豊橋市)
  はまなこ介護老人保険施設(浜松市)
  三田介護老人保健施設(岡崎市)
  滝町介護老人保健施設(岡崎市)
  滝町ショートステイ(岡崎市)
 元町グループホーム(豊橋市)

愛知県、静岡県、岡崎市、浜松市、豊橋市によって、監査、実地指導、返還(債権)請求などが行われました。


勤務表やタイムカードの改ざんで人員の水増し請求

不正請求の内容は、表の通りです。滝町老健については、開設当初から人員の配置が行われておらず、他の施設についても、いつから不正が行われていたのかさえ、把握ができない常態です。

6県にまたがる広域的な影響

護保険の場合、入所している人の住所のある市町村が介護保険者となるため、返還請求を行う自治体は、愛知県、静岡県の他にも、神奈川県、三重県、福岡県、長野県、岐阜県などの市町村にも波及しており、愛知県については、もっとも返還が多額な岡崎市が代表として交渉の中心にあたってきました。
 不正に請求された介護報酬の総額は5年間遡及され、23億2300万円で、そのほか加算金、利用者への返還金、国の交付金の返還などをあわせると総額37億9932万円に上ります。そのうち、岡崎市に返還されるべき金額は、4億846万円です。

不正請求の内容

?人員基準上必要とされる員数をおいていないにもかかわらず、減算をせず介護報酬を過大に請求し受領した。
たとえば、人員30名のところ、28.3人しか配置していないかったなど。
?夜勤職員の勤務条件(一人あたり月平均で64時間以内)を満たしていないにもかかわらず、減算をせず、介護報酬を過大に請求、受領。
?更新許可申請時や、実地指導の際に、人員基準以上に必要とされる職員をおいていないにもかかわらず、基準を満たしているかのような記載がなされた勤務割り表を提出
?滝町老健の開設許可申請および滝町ショートステイの指定申請時に、人員基準をみたしていないにも関わらず、満たしていたかのような記載がなされた申請書を提出していた。ケアマネージャーが配置されていなかった。

岡崎市には15年間かけて返済

岡崎市には今後年間6500万円〜9800万円が15年間にわたり返還される計画ですが、「多額の負債をかかえる同法人が15年間返還し続けられるのか」岡崎市議会福祉病院委員会でも多くの質問が出されました。
 不正な報酬は、保険料の引き上げにもつながります。このお金で保険料が軽減できたと考えると本当に残念です。
 日本共産党の鈴木市議は「市中銀行と同法人がまとめた返済計画ということだが、介護保険者が求める返還金はあくまで税金(公金)。法人が銀行から借りた私的債務よりも優先して返還されるよう、努力すること」を求めました。

再発防止に向け職員増員を

岡崎市も、愛知県と同行し昨年、一昨年も同施設に調査を行っていましたが、その時点では、不正受給についてもノーチェックで見過ごされたことは、責任重大です。
 来年度から、老人保健施設の指定権限が中核市に移行され、市が直接、立ち入り調査や監査、指導をおこなうこととなります。岡崎市は3組(2人一組)の専属職員を配置し、市内にある355件の介護施設を2年間に一度以上指導・巡回ができる体制を作るとしています。

介護従事者の抜本的 待遇改善と苦情窓口を

介護保険制度は、そもそも低すぎる報酬が労働者の低賃金、過密労働、などにつながっており、「高齢者や家族に喜ばれる介護を」と自らの身を削りながら事業を続ける善意の介護事業者も少なくありません。
 豊岡会でもネットの書き込みなどでは「人数が足りないと思っていた」「ボーナスが出ていない」「手取り20万円にもならない」など労働者へのしわよせがあったことは明らかです。
 現場の労働者も、市の介護保険担当職員も「よりよい介護サービスを提供したい」という立場に立ち、不正をなくすと同時に、国の責任で介護の充実を求めていくことが必要です。
 また、同病院では「個人のパジャマやおむつなどを持ち込めず費用がかさむ」などの苦情も寄せられており、こうした細かな声に利用者や家族の立場で応えられる市の窓口を設置することが、不正防止にもつながることから、党市議団は、苦情の窓口の設置の拡充を求めました。



当時の利用者・入所者にも保険料にも利用料を返還

平成13年以降の豊岡会の介護施設などへの入所者・入院者には、当時支払った自己負担分一割が豊岡会から返還されます。
対象となる人たちにはすでに通知がおくられているとのことですが、本人が死亡されていたり、連絡がとれない場合もあります。連絡先は

0120−886−621(フリーダイヤル)です

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鈴木まさ子 中根よしあき
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