活動紹介 − 市政情報
【25.01.19】岡崎市民病院における損害賠償事案の発生について
異常所見の見落としと適切な対応ができず
【概要】
悪性腫瘍再発の有無の確認を目的として、50歳代男性の胸部レントゲン写真を2022年5月17日に撮影した際、異常所見を見落としました。
同年7月7日に呼吸不全で当院に入院され、同年7月10日に退院する際にも、病態が重篤で生命予後が厳しいことや状態が悪化した際は、直ちに当院を受診するよう伝える等の適切な対応をすることが出来ず、同年7月13日、男性はご自宅にて亡くなられました。
この件に関して、2024年6月14日付け(17日収受)で、男性のご遺族から損害賠償請求の申し入れがありました。申し入れ内容を岡崎市民病院医療事故対策委員会で協議した結果、胸部レントゲン写真の異常所見の見落としや退院時の対応が十分でなかったことについて過失を認め、和解に応じるものです。
【損害賠償額】
350万円
【今後の対応】
AI技術の導入
今回の胸部レントゲン写真の異常は、非常に撮影、読影が難しいパターンでした。外科系の医師何名かに確認したが、一人も異常と捉えることはできないレベルでした。
新しく導入した人工知能、AI技術を活用した読影システムでは、今回の病変をこの写真単独でもここに異常がある可能性があることは発見できるシステムとなっております。
チーム医療の充実を提案
【日本共産党市議団の意見】
岡崎市議団としては、医師が異常所見を見逃したことに端を発し、その後も説明が不十分なことにより損害賠償請求されました。もともとの主治医が専門外の部位とはいえ見逃したことは重大です。しかし、人がやることに失敗はあります。個人が失敗する前提として、組織で体制を組み、失敗を極力なくしていくことがチーム医療をうたっている市民病院の組織として求められます。また、ご家族が呼吸が心配で連絡をもらった時に受診ができていれば、ご家族のうけとめも変わったのではないでしょうか。今回は遺族の方の理解もあり和解することができました。市民の方に選ばれる病院となるには病気を治すことはもちろんですが、患者さんにもその家族にも市民病院なら安心と思ってもらえる医療の提供と十分な説明をできる体制をお願いしました。