活動紹介 − 議会報告
【10.10.15】特別養護老人ホームを視察(福祉病院委員会)
10月14日(木)市議会福祉病院委員会は、市内の特別養護老人ホーム二カ所の視察を行いました。
特別養護老人ホーム くわがい
平成16年7月に事業開始、岡崎市初のユニット型特養です。総事業費は土地を含め16億700万円、建物だけでも13億5660万円です。
定員は、特養90名、ショートステイ20名、デイサービス25名です。
特養は10のユニットに分かれています。1ユニットの定員は10名。1ユニットは個室と食堂、休憩所、風呂、トイレからなっています。職員グループ3〜4人で2つのユニットのケアを行います。
特養の職員は、事務、看護師医師、調理員、介護職員など103名。利用者1.83人に職員1人の配置です。(国基準は利用者3人に職員1人)国基準より配置が厚くなっていますが、そもそも国基準が低すぎます。介護職員は常勤68名(嘱託、パート含む)です。
平均年齢は87才。最高齢は103才。女性が80%。21年度の退所者は14名すべてが死亡による退所です。90名の内、岡崎市民が86名。
待機者は420名
現在くわがい特別養護老人ホームの申し込み者は420名。うち緊急性のあるAグループ(介護度3以上)は230名です。待機者の平均待機日数は2年弱。介護度3以下の人はこれではほとんど入所ができません。入居までの待機場所は 平成21年度の場合、在宅9名 他施設12名(病院以外、老健など)と、ほとんどが他の高齢者施設からの転居となっています。
鈴木まさ子市議は「入所の基準は何が優先されるのか?」と質問。施設側からは「主に介護度」との答弁がありました。入所判定の基準は岡崎市の特別養護老人ホーム入所基準に基づいて、各施設で指針が決められます。評価基準は?入所希望者の心身の状況?家族、介護斜等の介護力?在宅生活の困難度の状況となっています。そのうち全3項目に該当するものがAグループ、2つに該当するものがBグループ、1つの該当がCグループとなります。グループ内の順位づけは基本的には、申し込み順だが、岡崎市内(南部福祉圏内)優先とのこと。
入所者の介護度の平均は3.77、要介護3〜5 が90%です。重い人ばかりでは人手がかかり、軽い人ばかりでは利用料収入が上がらないという施設の悩みがあります。
利用料は5万円〜13万円
利用料は平均して13万円前後です。低所得の方で所得段階が第2段階(本人非課税)の方が現在29名入所中で、減免制度を利用しても月額で6万〜6万5千円です。(食事代込み) 第3段階(世帯非課税)の方は50名入所で、月額9万5千円〜10万円支払いが必要です。
愛厚ホーム 岡崎苑
定員は、特別養護老人ホーム100名、ショートステイ5名(障害者ショートあり)
愛厚ホームは昭和50年(1975年)に事業開始となった県下で7番目の県立の老人ホームでした。県の外郭団体(愛知県福祉事業団)から現在では完全民営化され、県からは独立採算となっています。
職員数は50名。常勤換算で43.1名です。
古い多床室型特養で、一部屋6人がカーテン一枚はさんで寝起きしています。
入所者98名中市内は96名。平成21年度は退所者は30名で、うち死亡が24名、医療機関へ移ったのが5名、家庭復帰1名となっているとのこと。平均入所期間は3年7ヶ月。最高在籍期間は23年6ヶ月の人もいます。
お風呂も設備が古いため、歩いて入れる人も機械に乗った寝浴となっています。また、廊下も狭く、車いすではすれ違うことが出来ないため、食事時は廊下はラッシュ状態です。また、室内にクーラーは一カ所しかありません。
国民年金でも入れる特養を
福祉事業団本部として、平成23,24年度で建て替え計画が出されました。現在と同じ敷地内に建設予定とのことですが、国は現在、特別養護老人ホームに対してほとんど補助金をだしません。また、現在は多床室の特養は建てておらずくわがい特養のように、各室一人のホテルコストのユニット型特養となります。しかしそれでは、生活保護の方や、国民年金だけの方は入所できなくなります。 。
現施設での利用料は、減免なし(所得段階3以上)で介護度1で食費含め7万4130円 介護度5になれば、8万2490円です。また、減免制度の利用できる所得第2段階の人は、軽減措置で 介護度1で4万4430円。介護度5で5万2890円になるので、国民年金でもなんとかなります。
鈴木まさ子市議の「6人部屋というのはプライバシーの面からも改善をとこれまでも日本共産党は要求してきましたが、国の補助制度がかわって、ユニット型では国民年金程度の人は入れない。どのように建て替えを考えているか」との問いに対して「国民年金、生活保護などの人たちを切り捨てず、併設出来るような形をなんとか考えたい」との答弁がありました。
よい施設では利用料が高くて払えない、国の基準をはずれたら、介護施設としての補助が受けられない、こうした面でも介護保険制度は大きな矛盾を抱えています。