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【21.02.14】岡崎市公立保育園等の民営化についての基本的な考え方を発表民営化でサービス向上か?
1月22日、岡崎市は、「公立保育園等の民営化についての基本的な考え方」を発表しました。
幼児教育無償化の影響
一昨年10月から、国は、保育園や幼稚園等の保育料無償化を行いました。その補填は、公立保育園・幼稚園は全額市町村の負担。交付団体の場合は、交付税で入りますが、岡崎市は不交付団体のため、国からお金はきません。
私立の保育園・幼稚園は1/4が市、1/4が県、1/2が国となります。したがって、私立の方が、岡崎市の負担はぐっと軽減されます。(下図参照)
幼保無償化による岡崎市の負担額は、約13億円となります。
公立から民間へ
あまりにも市町村の負担が大きいため、公立保育園等を民間移管、委託する自治体が増えています。
岡崎市でも議会では公明党を中心に「民営化」を強く求める声が上がりました。国の狙いは、そこにあります。
昨年3月議会で、日本共産党市議団は「公立保育所は地域格差なく、一定の保育水準を確保する役割がある。短期的な経済効率を優先させるのではなく、長期的な視点に立つべきもの。国の責任で財政負担を行うことを強く求めるべき」と民営化(民間移管)に反対を表明しました。
岡崎市の保育の現状
現在の岡崎市の保育の現状として
1.乳児を中心に入所・入園希望者が増加
2.保育需要に地域差
3.園舎の老朽化
4.限られた財源
という課題があり、「基本的な考え方」の中では、「岡崎市行財政改革大綱と「市公共施設等総合管理計画」を踏まえて公立保育園等を民営化し、民間活力を導入することで課題解決」としています。
現状維持できるのか 移管先は社会福祉法人
保育や教育の内容は、原則現状維持が原則です。
移管先の対象となる民間法人は実績安定性を重視するため現に保育所等を運営している「社会福祉法人」とするとのこと。 もし社会福祉法人から参画の意思が期待できない時は、保育所等運営している学校法人(岡崎市には現状ゼロ)を対象とし、それ以外の営利法人は含めない、としています。
土地は貸与、建物譲渡
移管方法は、
◇土地
原則市有地については無償貸付、借地については移管先が借り入れる
◇建物、工作物、備品
原則無償譲渡。
保育士は3年間派遣
公立園で働いていた保育士は、移管後3年を上限に民間事業者に派遣をしその後は、公立保育園に戻るとしています。
サービスは向上するか
岡崎市では、公私格差のない保育を進めてきました。市は、民間移管で「休日保育や病児保育などののサービスが拡充する」「運営が柔軟になる」としていますが、一番の効果は市の財政負担のが軽くなることです。
決定してから保護者説明会
今後、応募型プロポーザルで移管先を決定してから、保護者説明会を実施していくとのこと。3年間かけて移管先の募集や手続きを行い4年目に移管します。
市は「すべての公立園を民間移管するわけではない」としていますが、そもそも、幼児、保育の無償化を打ち出した国が全額財政負担をするべきです。